はんだづけは難しい。。。(1)

今日も教室がありました。
いらした生徒さんはもう5年以上のキャリアがあり、たくさんの作品をつくっているベテランさんです。
今は鏡を制作しています。

ステンドグラスを始める生徒さんが最初にぶつかる壁はガラスカットです。
固いガラスを望む形にカットするには、ガラスカッターなどの工具を正確に使う必要があります。
力の入れ具合や腕の回し方など、慣れるまでは苦労するところです。

1作目からサクサク作業できる人もいますが、大抵の生徒さんは1-2年、作品にして3-5作品くらい取り組んでいく中でようやく慣れてきます。
慣れてくれば、皆さんしっかりとした手つきでどんどんガラスをカットしていきます。

ところがはんだづけ、はんだがけとも言いますが、はんだごてでガラスを接着していく作業は、多くの生徒さんがずっと苦戦します。
適切量のはんだを、こてを使ってむらなくきれいにはんだがけするのは、なかなか難しいのです。

今日の生徒さんも、かなりいい線までいっているのですが、どうしても少しムラができてしまいます。
この方に限らす、生徒さんの作品は完成前に私が気になる部分を手直しします。
生徒さんには「魔法の手」なんて言っていただきますが、もちろん魔法ではなくコツがあります。

私がよくお話しするのは「はんだと友だちになる」こと。
はんだの性質を知って、どれくらいの力やスピードではんだごてを動かすか、その傾向と対策を体得すること、です。
こてを動かすスピードが速すぎると、はんだが隅々までいきわたらず、表面の仕上げも美しくなりません。
スピードが遅すぎると、はんだが溶けすぎて余計なところにいってしまったり、最悪のケースではガラスが熱で割れてしまします。

生徒さんの手元を見ながら、「(スピードが)速いです」「もう少しチャチャッと」などなど助言します。
大抵の場合は「速いです」と言って、生徒さんに「これでも速いですか?!」と言われることが多いです。
常に一定のスピードでいいわけでもなく、かけるはんだの量や作業の進行具合など様々な要因でこての操り方を変えるのが難しいところかもしれません。

これから何回かにわけて、私が考えるはんだがけのコツについて、お伝えできたらと思います。

2019年03月07日